世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


エライジャ・クレイグ バレルプルーフ バッチC920    66.4%

  • 蒸溜所名: ヘヴン・ヒル蒸溜所
  • 地域: ケンタッキー
  • ブランド: ヘヴン・ヒル
  • 価格帯: £71-120
  • 入手可能場所: コアレンジ
  • 掲載号:174号

フィービー・カルバーSCORE8.2

香り
最初に感じるのはマニキュア除光液。それをすぐに押し止めるのは、バニラ味のスポンジキャンディー、ココナッツ味のマカロン、ダークチョコレート。やがてフレッシュなモモ、マラスキーノチェリーシロップ、ゴム、インクなどの匂いもする。
甘くシロップのような風味。再びマラスキーノシロップの味も感じるが、リッチで酸味のある黒っぽい果皮のベリージャムも想起させる。クローブのスパイス、甘いシナモン、バニラクリームなどの味。オレンジの皮と生のパン生地。
フィニッシュ
余韻は長く、甘い後味。シナモンのスパイスを感じさせる。
コメント
とてもバランスが良いウイスキー。水を加えると、さらにその風味が楽しめる。

クリストファー・コーツSCORE8.2

香り
スピリッツの特性が前面に出た香り。最初はアセトンの匂いが漂うが、グラスに注ぐとすぐ完全に消え失せる。その後から、黒パン、濃厚なシナモン、クローブ、砂糖漬けのチェリーの匂いが波のように押し寄せる。バーク堆肥のような土っぽい匂いがあり、ミルクチョコレート、コンデンスミルク、クリームっぽいココナッツも感じさせる。クリーム入りスナックとかすかなエスプレッソコーヒーの匂い。わずかにゴムっぽい印象(不快ではない)があり、ちょっとプラムワインも感じさせる。
力強い味わいだが、ひとつの風味が突出せずにバランスよく統合されている。紅茶のようなタンニンが序盤から顕在化している。カシスのコーディアルや、かすかに酸っぱいラズベリージャム。ベルガモットとクローブの感触。甘いティーケーキの特徴や、柑橘類の皮のような風味もわずかに感じる。
フィニッシュ
余韻は長く、唾液を誘うような印象。
コメント
クリスマスの季節に、庭の中央にあるテーブルへコーヒーとケーキを取りに行くような趣き。香りは非常に複雑な仕上がりだが、味覚は同じ複雑さのレベルに達していない。